AI生成物に関する方針
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制定日 | 2026年9月10日 |
| 最終改定日 | 2026年9月10日 |
| 版 | 1.0 |
株式会社IORI(以下「当社」といいます)は、法令改正情報サービス「レジトラ(Legitra)」(以下「本サービス」といいます)において生成AIを利用するにあたり、次のとおり方針を定めます。本方針は、利用規約第16条の詳細を定めるものであり、同規約と一体のものとして適用されます。
第1条(この方針の目的)
法務の実務では、情報の出所と根拠が、情報そのものと同じだけ重要です。当社は、生成AIを、公開資料を読みやすくするための補助として用いるにとどめ、AIが作った文章と、官公庁が公表した一次情報とを、利用者が常に区別できる状態を保ちます。本方針は、そのために当社が守る約束を明らかにするものです。
第2条(生成AIを利用している箇所)
- 当社は、現在、次の箇所で生成AIを利用しています。
| 箇所 | 内容 | 表示 |
|---|---|---|
| AI要約 | 法令ごとに「この改正で何が変わるか」を3〜5行に要約したもの | 「AI要約」のラベルを付し、根拠とした資料へのリンクを併記します |
- 当社は、次の箇所では生成AIを利用していません。これらは、当社が定めたルールおよび編集可能なマスタに基づく機械的な処理、または公開資料からの機械的な抽出です。
| 箇所 | 処理の方法 |
|---|---|
| 束ね法案の改正対象の展開 | 法律案の本文に対する構文パターンの照合、および法令APIの沿革による確定 |
| 重要度の判定 | 法令の分類、改正の規模、利用者の業種プロファイルに基づくルール |
| 公式要旨・要綱抜粋 | 官公庁が公表した資料(議案要旨、提出理由、要綱)からの機械的な抽出 |
| 審議会シグナル | 審議会のページからの機械的な検知と、確度の付与 |
| 施行カレンダー | 法令APIの沿革および公布された法律の附則に基づく整理 |
- 当社が新たに生成AIを利用する箇所を追加する場合、本方針を改定し、その旨を本サービス上に掲示します。
第3条(AI要約の生成方法)
- AI要約は、Anthropic PBC(米国)が提供する Claude API を用いて生成します。
- AI要約の入力は、府省庁が公表している資料のテキストに限られます。 具体的には、法律案の本文、要綱、新旧対照条文、概要、提出理由、議案要旨その他、本サービスが取得し保存した公開資料です。
- 当社は、生成AIに対し、利用者に関する情報を一切送信しません。 電子メールアドレス、表示名、所属、職種、業種プロファイル、ウォッチの設定、検索語、閲覧の履歴のいずれも送信しません。AI要約は、法令ごとに1回だけ生成して全利用者に共通のものを表示する方式であり、利用者ごとに生成するものではありません。
- 根拠となる資料が不足している場合、当社はAI要約を生成しません。 この場合、本サービスは要約を表示せず、資料が不足している旨を表示します。推測により内容を補うことはしません。
- 当社は、Anthropic PBC との間で、API を通じて送信されたデータが同社のモデルの学習に使用されない条件で契約しています。
- 当社は、生成に用いたモデル名、生成日時、消費したトークン数および費用を記録し、運用状況として集計しています。
第4条(表示)
- AI要約には、「AI要約」であることを示すラベルを付します。ラベルを付さずに表示することはありません。
- AI要約には、その生成の根拠となった資料へのリンクを併記します。利用者は、要約の記述を一次情報に遡って確認することができます。
- AI要約には、生成に用いたモデルおよび生成日時を表示します。
- 根拠資料が更新された場合、当社はAI要約を再生成することがあります。再生成された場合、生成日時の表示が更新されます。
第5条(AI要約の限界および免責)
- AI要約は、生成AIの技術的性質上、次の誤りを含む可能性があります。
- 根拠資料に書かれていない内容を含むこと(いわゆる幻覚)
- 重要な事項を落とすこと
- 条文の番号、数値、日付、対象範囲を取り違えること
- 改正の主体・客体を取り違えること
- 施行期日や経過措置に関する条件を単純化しすぎること
- 当社は、AI要約の正確性、網羅性および完全性を保証しません。
- AI要約は、法的助言ではありません。 AI要約のみに依拠して法的な判断を行わないでください。必ず、併記された根拠資料および法令の一次情報をご確認ください。
- 当社は、AI要約の内容に起因して利用者に生じた損害について、利用規約第19条(責任の制限)の定めるところに従って責任を負います。
- 前各項は、当社が要約の品質を維持する努力を怠ってよいという意味ではありません。当社は、第6条および第7条の措置により、誤りの発見と是正に努めます。
第6条(誤りの報告と是正)
- 利用者は、AI要約に誤りを見つけた場合、本サービスの画面上から当社に報告することができます(1つの要約につき1利用者1回)。
- 当社は、報告を受けた要約について内容を確認し、次のいずれかの措置を講じます。
- 要約の再生成
- 要約の削除(根拠資料が要約に適さないと判断した場合)
- 生成の条件(プロンプト、入力とする資料の範囲)の見直し
- 当社は、一定数以上の報告があった要約について、確認が完了するまでの間、その旨を表示することがあります。
- 当社は、報告の内容を、報告者が識別できない形で、本サービスの品質改善のために利用します。
第7条(人による監督)
- 当社は、生成AIの出力を、人による確認を経ずに利用者の判断の代替として提示することはしません。AI要約は、常に根拠資料と併置され、利用者自身が検証できる形で提示されます。
- 当社は、生成の条件(プロンプト、入力とする資料の範囲、生成しない条件)を、当社の責任において定め、記録します。
- 当社は、「AI事業者ガイドライン」(総務省・経済産業省)が示す、透明性、説明可能性、公平性および人間中心の考え方を踏まえて、生成AIを利用します。
第8条(権利関係)
- AI要約の入力となる資料は、いずれも国の機関が公表した公開情報です。法律および法律案の本文は著作権法第13条により著作権の目的とならず、審議会資料等は**政府標準利用規約(第2.0版)**に基づき出典を表示して利用しています。
- AI要約は、当社が生成の条件を定め、当社の責任において生成・公表するものであり、利用規約第2条にいう「当社付加情報」に含まれます。その利用条件は、利用規約第15条の定めるところによります。
- 利用者がAI要約を社内の資料等に引用する場合、「AI要約」であることの表示、および出典(「レジトラ(Legitra)」の名称と該当ページの URL)を除去または改変しないでください(利用規約第13条13号)。AI生成物であることを伏せたまま第三者に提示すると、その第三者が内容を検証する機会を失います。
- 当社は、AI要約その他の当社付加情報を、第三者の生成AIモデルの学習用データとして提供していません。また、利用者が当社付加情報を学習用データセットの作成に利用することを、利用規約第13条6号により禁止しています。
第9条(生成AIの提供者の変更)
当社は、本サービスの品質、費用または可用性の観点から、生成AIの提供者またはモデルを変更することがあります。この場合、当社は、変更後の提供者についても、第3条第3項(利用者に関する情報を送信しないこと)および第3条第5項(学習に使用されないこと)と同等の条件を確保したうえで変更し、本方針および「プライバシーポリシー」を改定します。
第10条(本方針の改定)
- 当社は、生成AIの利用範囲の変更、関係法令・ガイドラインの改正その他の事情に応じ、本方針を改定することがあります。
- 改定を行う場合、改定後の本方針の内容および効力発生日を、本サービス上に掲示します。
第11条(お問い合わせ)
本方針に関するお問い合わせは、support@legitra.net までお願いいたします。
以上
株式会社IORI 東京都目黒区鷹番3-3-12 学芸大学フロントONEビル3階
作成メモ(公開前に確定すべき事項・仮定)
A. ユーザーが決定すべき事項
| # | 事項 | 該当条 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 第11条 | 確定済:support@legitra.net | ||
| 本方針の表示形式 | 全体 | 確定(2026-09-10):独立ページ /ai-policy として表示 |
|
| Anthropic との契約形態 | 第3条5項 | 確認済(2026-09-10、設計コンサル):Commercial Terms of Service(2025年6月17日発効) に「Anthropic may not train models on Customer Content from Services」と明記され、Data Processing Addendum が組み込まれていることを確認。第3条5項の記載はこれを根拠とします |
B. 置いた仮定
- AI利用箇所の切り分け(第2条):
docs/MVP_REPORT.mdを読み、現在AIを使っているのはAI要約のみで、束ね法案の展開・重要度判定・要綱抜粋・審議会シグナルはいずれもルールベース/機械的抽出であることを確認しました。第2条2項でこれを明示したのは、「このサービスはAIが法令を解釈している」という誤解を避けるためです。法務利用者にとってはむしろ安心材料になります。- 注意:
MVP_REPORT.md§7 の P3 に「LLM 分類(資料種別・対象法令・確度の補完)」が予定されています。**これを実装したら第2条の表を必ず更新してください。**現状はClassifierインターフェースのみで未実装であることを確認済みです。
- 注意:
- 「利用者ごとに生成しない」ことを明記(第3条3項)しました。AI要約が法令単位で1回だけ生成される設計(資料ハッシュで再生成を抑止)であることが、「個人情報を送らない」という約束の技術的な裏付けになっています。設計上の事実をそのまま約束にできる、良い構造です。
insufficient_evidenceの運用を条文化(第3条4項)しました。「根拠がなければ生成しない」は既に実装・テストで担保されている挙動であり、これを公表することは実質的なコストゼロで信頼を得られます。- 利用者による転載時のラベル除去禁止(第8条3項)を、利用規約第13条13号と対にして書きました。AI生成物の由来表示は、いま最も規範が固まりつつある領域です。
- 「AI事業者ガイドライン」への言及(第7条3項)は義務ではありませんが、法務・コンプライアンス部門が読者であることを踏まえ、準拠する枠組みを明示しました。
- モデル変更時の条件維持(第9条)を入れました。
HK_SUMMARY_MODELで切り替えられる実装であり、将来 Anthropic 以外に変える可能性があるためです。この条項があれば、変更のたびに約束を作り直さずに済みます。
B-2. 第3条第5項の根拠(確認の記録)
第3条第5項は「API を通じて送信されたデータが同社のモデルの学習に使用されない条件で契約している」と公表しています。これは事実の主張なので、根拠を残します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | Anthropic PBC Commercial Terms of Service(2025年6月17日発効)。「Anthropic may not train models on Customer Content from Services」の条項 |
| 併せて適用される条項 | 同 Terms に組み込まれた Data Processing Addendum |
| 確認日 | 2026-09-10 |
| 確認者 | 設計コンサル |
留意事項
- 規約は改定されます。 上記は確認日時点の内容です。年1回程度、および Anthropic から規約改定の通知を受けた際に再確認し、本表を更新してください。
- 利用する契約形態を変えるときは、必ず再確認してください。 商用条件(Commercial Terms)ではなく消費者向けの利用条件で API を使う形になると、学習利用に関する扱いが異なる可能性があります。
- 第9条(生成AIの提供者の変更)に基づき提供者を変えるときも同様です。同条は「第3条第3項および第5項と同等の条件を確保したうえで変更する」と定めているので、変更先について同じ確認を行い、本表に追記してください。
- 委託先全体の体制確認の記録は
privacy.md作成メモ B-2 にあります。
C. 実装側(法改正Coding)への申し送り
- 第3条3項が虚偽にならないよう、プロンプトに利用者由来のデータを混ぜないでください。 これは本方針全体で最も重い約束です。テストで担保できると理想です(プロンプト生成関数に利用者オブジェクトを渡さない設計にする等)。
- 第4条3項:AI要約にモデル名と生成日時を表示してください。記録は既にあるはずですが(
/statusのコスト集計)、画面に出ているかを確認してください。出していないなら、条文側を実装に合わせて削ってください。書いたことは必ず実装してください。 - 第6条3項(一定数以上の報告があった要約に確認中の表示)は、現時点で未実装の可能性があります。実装しない場合は「〜表示することがあります」のままで足りますが、報告が溜まったときの運用(誰が確認するか)は決めておいてください。
- **P3 の LLM 分類を実装するときは、本方針第2条の更新が必要です。**分類にAIを使うと「対象法令の推定にAIが関与する」ことになり、現在の記載と食い違います。
/ai-policyを用意し、AI要約の表示箇所(法令詳細・法案詳細)からもリンクしてください。フッターだけでは、要約を読んでいる人の目に入りません。